『ルポ 貧困大国アメリカⅡ』

2010/02/23 suika

堤 未果 著、岩波新書、2010年。

前著に続き、今回も問題の渦中にある人たちへのインタビューを交えて、オバマ後のアメリカの貧困とそれを取り巻く問題を報告している。日本も二の轍を踏みつつある気がしてならない。情報にあふれるなかで、自覚的に生きることこそが、個人が生き延びるための戦略なのだと思う。しかしどれほど気をつけていても、「こんなはずではありませんでした」ということは、誰の身にも起こる。というわけで、日本がここから学び、実践すべきことは、次のふたつ。ひとつは子ども・青少年への教育。見通しを立てて行動することができる能力を身につけること。もうひとつは、大人世代の寛容を涵養すること(こう書くとオヤジギャグみたい)。ここでいう寛容とは、非正規から貧困へ転落したひとたち、障害や病で“正規の”人生を歩むことを阻害されたひとたち、あるいは犯罪のために一般社会から隔離されたひとたちなどなど、そうした人びとを“無自覚であったから、自己責任だ”と責めるのではなく、もういちどやり直すためのチャンスを作り出し、待つための時間をもつということ。このふたつを、社会的な空気として共有することで、もうすこし風通しが良く、生ることが楽しい国になるのかもしれない。

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