2月 2010 のアーカイブ




『ルポ 貧困大国アメリカⅡ』

堤 未果 著、岩波新書、2010年。

前著に続き、今回も問題の渦中にある人たちへのインタビューを交えて、オバマ後のアメリカの貧困とそれを取り巻く問題を報告している。日本も二の轍を踏みつつある気がしてならない。情報にあふれるなかで、自覚的に生きることこそが、個人が生き延びるための戦略なのだと思う。しかしどれほど気をつけていても、「こんなはずではありませんでした」ということは、誰の身にも起こる。というわけで、日本がここから学び、実践すべきことは、次のふたつ。ひとつは子ども・青少年への教育。見通しを立てて行動することができる能力を身につけること。もうひとつは、大人世代の寛容を涵養すること(こう書くとオヤジギャグみたい)。ここでいう寛容とは、非正規から貧困へ転落したひとたち、障害や病で“正規の”人生を歩むことを阻害されたひとたち、あるいは犯罪のために一般社会から隔離されたひとたちなどなど、そうした人びとを“無自覚であったから、自己責任だ”と責めるのではなく、もういちどやり直すためのチャンスを作り出し、待つための時間をもつということ。このふたつを、社会的な空気として共有することで、もうすこし風通しが良く、生ることが楽しい国になるのかもしれない。

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Add a comment 2010/02/23

1st Feb, NC

大学初日。今日から金曜日までの毎日、訪問先の大学へ行く予定。

前日にホテルのフロントで「雪の影響でバスが走らないかも。タクシーに乗っていくほうがいいよ」と言われ、空港からのリムジン・タクシーに予約を入れたのだけど、一夜明けたらバスが走っている様子。おまけに、受け入れ先のF先生から「雪のため授業の開始は10時」と連絡が。ならばバスでも行けるのではないかと踏んで、タクシーをキャンセルし、バス停へ。ところが待てど暮らせどバスが来ない。足下には5~6cmの雪があって、どんどん身体が冷えてくるし、約束の時間に遅れるんじゃないかと焦るし…。

もう限界!と、タクシーを呼ぶためにホテルに引き返す途中で通りを振り返ったら、バスが走り去って行くではないか…!当たり前だけど、日本のように、どんな天気でも定刻に運行するわけではないのだ。「あと3分待ってればよかったんだ…」と後悔しつつ、フロントで「バスが来ないし(ほんとは来たけど、それは言わない)、約束の時間にも遅れちゃうからタクシー呼んでください」と頼む。フロントの女性が電話でタクシーの運転手に「バスが来ないって言ってる。へんなの、うちのスタッフはバスで来たのに。ほんとへんだけど、約束あるらしいからとにかく来てあげてよ」的なことを言っているのを、居心地悪く聞く(日本なら、お客が増えたと喜んで来そうなもんだけど…とも思いつつ)。と、とても順調とは言えない出だしで、大学に到着。

まずは、いままでメールでしかやりとりしたことのなかった、アシスタントのCさんにご挨拶。ハグで迎えられてちょっとびっくり。彼女に案内されて、いよいよF先生にご対面のときが。「うわー、どきどきする!」と思いながらお会いしたら、これまたものすごく暖かく迎えてくださった。

見学予定だった授業が休講になったおかげで、この日はF先生と滞在中いちばん長く話すことができた。なぜ先生の本を訳そうと考えたのかということや、翻訳に要した時間などをたずねられたので説明した。わたしからのレジリエンスの概念についての質問にも答えてくださった。

それだけでなく、「これからどうやって研究をすすたものかと悩んでます、質的研究がしたいんですけど」と話したところ、概念とからめてヒントをくださった。こんな贅沢な個別指導ってアリ?!と思うくらい、本当にわくわくする体験だった(ちなみに、彼の示してくれたヒントは、わたしが考えていたこととほぼ同じだったので、自分の理解が間違っていなかったことが裏付けられたようでうれしかった。もうひとつうれしかったといえば、「この翻訳はたいへんだったろう。これでドクターもらってもいいくらいじゃないか」というつぶやき。聞き逃しませんでしたよ~)。

一通りお話ししたところでお昼になって、お忙しいにもかかわらず、ランチをごちそうになり、キャンパスツアーまでしていただいた。この間にしみじみ感じたのは、一流のゆとりと、いまこのときを大切にする社交性の高さ。なんというか、こんな人がこの世界にいるんだ!という驚きと、その人と一緒に時間を過ごせていることに感激せずにはいられなかった。

午後は、Professional Use of Selfという講義を見学。授業の概念がいまひとつよく分からなかったのだけど、要するに、実践における自己覚知の重要性を、学生のフィールドでの経験と照らし合わせながら確認していくような講義内容。C先生の授業展開のうまさに感心して、口が半開きになってたと思う(たぶん)。

講義終了後、図書館でしばらく本を読ませてもらってから、F先生と合流して、翌日のプレゼンの部屋の下見とPPTの動きの確認。PPTに一部うまく動かないところがあって一瞬「徹夜でお直し?」という考えがよぎったけれど、明日リトライすることで決着。

この後、F先生のご自宅へお邪魔して奥さまのMさんとご対面(これまた素晴らしい方で、このお二人は、わたしが秘かにストックしている「理想の夫婦リスト」に断突トップでランクイン)。わたしの家族の写真を見せ、日本風のカレーでおもてなしを受け(お二人は30年以上前に、日本で3年間暮らしていらした)、わいわい言いながらAmazonジャパンで本の売れ行きをチェックして、おいとま。帰りは先生に車で送っていただいたのだけど、「時差もあるし、身体がまだなれてないと思う。明日はまた天気が悪いようだし、無理して授業に出なくていいよ」と気遣ってくださって、またまた感激。

朝のバタバタが信じられないくらいに、素晴らしいスタートを切ることができて、幸せいっぱい、胸いっぱい。でもアタマのなかは、明日のプレゼンでいっぱいいっぱい。。になりながら、いつの間にか眠りに落ちていた。。

1st Feb, NC はコメントを受け付けていません。 2010/02/20

『ドキュメント 高校中退-いま、貧困がうまれる場所』

青砥恭著、ちくま新書、2009年。
高校中退後の若者が社会とのつながりをなくし、貧困に陥ることに焦点を当てている。問題提起として示唆に富む書。教育と福祉が手を結ぶことの重要性を指摘している点も興味深い。単語の用法の不統一(DV、虐待の定義など)、文体の不一致等が気になったが、これは編集側の仕事か。

近年、貧困をはじめとする子どもと家族をめぐる問題が社会的な関心を集めつつあるのは望ましいことと思う。けれども、対人援助専門職がそれぞれに「ここぞわれらの出番!」と主張して、一種の縄張り争いの様相を呈してきている感が否めない。このようなことは本末転倒で、あってはならないことと心得て、子どもや家族の困難を軽減するために、隣接領域の専門職がうまく手を取り合っていく方向性に目を向けなければならないと思う。自分の研究においても、福祉領域の固有性を、他の領域と手を組むことでより効果的に発揮できるような方法を考えていきたい。

Add a comment 2010/02/20

ノースカロライナ入り

1月31日早朝の飛行機で、やっとこさノースカロライナ入り。予約されたホテルの周りには、マクドと中華料理のバイキング、スナックを売ってるカー用品店以外、何もない。昼は、中華へ。炒飯を一目見て日本を思い出し、一口食べて帰りたくなった。。
移動と時差でくたくた。おまけに、明日からギッチリとスケジュールが入っているので、この先どう対処していこうかと思案中。
日本の大ボスからは、「休息も学びのうち」と。たしかに。無理は禁物。抑え抑えでやらないと。

ノースカロライナ入り はコメントを受け付けていません。 2010/02/01

ダラスにて

成田からダラス、ダラスでノースカロライナのローリー・ダーラム行きに乗り換える予定だった。が、ノースカロライナが大雪のため、フライトキャンセル。窓口係に言われるままに、ダラスにて一泊するはめに。
この事態を冷静に受け止めて行動できたのも、出発直前までMたちがこまめに連絡をくれてた&iPhoneのおかげ。
テキサスは、もちろん初めて。なんだかマッチョなかんじだった。
スパニッシュが多いのにびっくり。夕食をとったバーガー屋の客も半数近くがスペイン語らしき言語を話していたし、今朝、宿泊先から空港までのシャトルも半分がスペイン語で会話してた。
食べ物については、貧困層に肥満が多い、というのを実感中。油っこくて満腹感の得られる食事は安く、そういうところに来ている客は、「ああ…」と悲しくなるくらいに太っていたりする(もちろんそうでない人もいるけど)。

ダラスにて はコメントを受け付けていません。 2010/02/01

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